こんにちは、bonchaanです。
今回は、増幅回路である「電流帰還バイアス回路」の製作を行いました。前編では、基板データであるボード図作成で必要な回路図を作成します。早速、作ってみましょう!…とその前に、電流帰還バイアス回路について少し解説します。

電流帰還バイアス回路とは

電流帰還バイアス回路とは、トランジスタを用いた増幅回路の一つです。

トランジスタ

そもそもトランジスタとは何か?という話ですが、簡単に言ってしまえば「半導体を用いて電流をコントロールする素子」です。トランジスタは三端子素子で、「エミッタ」(Emitter)「コレクタ」(collector)「ベース」(base)と名前がついています。それぞれ、英単語の頭文字を用いて「E」「C」「B」で表します。
回路図と電流の関係は下図のようになります。

また、トランジスタに電流が流れ、素子として役割を果たしている時、ベースとエミッタの間に電位が発生します。

なぜ電流帰還バイアス回路なのか?

トランジスタを用いた増幅回路も、ほかに様々なものがありますが、特に電流帰還バイアス回路は最もよく使われるバイアス回路です。なぜなら、バイアス回路の中で最も動作が安定するからです。

まず、図中の電位の関係は以下のように表せます。

例えば、温度上昇や電源印加による影響で、コレクタ電流が大きくなった場合、エミッタ方向に電流が流れ、エミッタ電流が大きくなります。
エミッタ電流が大きくなるということは、VBEが小さくなるので、ベース電流が小さくなります。これにより、コレクタ電流を抑制できるという仕組みになっています。

本来は帰還やブロック線図について解説したほうが良いですが、かなり長くなるので省略しました。

とりあえず、「へぇーただ電流を増やすだけじゃなくて制御も必要なんだなぁ」と思っていただければと思います。

回路図製作

さて、今回の電流帰還バイアス回路ですが、私自身回路図の作成から基板の作成はそんなに経験がないので、二段にして回路図を作ってみました!
…ボード図もできた後に思いましたが電流帰還バイアスを二段にしても実用性微妙ですね…せっかく二段なら電圧帰還かければよかった…まあ今回は練習できたからよし!

電源と出力にはピンヘッダを使ってます。評価用というか個人製作用という位置づけですね。

ERCチェックではvalueを入れるよう言われましたが、設計の計算は不慣れなのでやめておきました…

まとめ

今回は、電流帰還バイアス回路の回路図を作成しました。
次回は基板データをFusion 360で作成していきます!
それでは、後編でお会いしましょう。


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