初めまして!高専にいる人のbonchaanです。普段は資格の勉強をしたり、研究などで基板作成を行っています。これから電子回路関連の記事をちょこちょこ書いていこうと思います。よろしくお願いします!
今回、Fusion 360のEDA機能を用いて、NANDゲートを組み合わせて作ったANDゲートのシミュレーションを行ってみました。
「ANDゲート?NANDゲート?それ何??」という方は、最初に論理回路、ANDゲート、NANDゲートに関する簡単な説明をしていますので、そちらをお読みいただければと思います。
論理回路の簡単な説明をした後に、Fusion 360でANDゲートをシミュレーションした結果を書いています。
論理回路とは
論理回路とは、論理計算を行う回路です。もう少し詳しく書くと、「0」と「1」の2値信号で演算や制御を行う回路のことをいいます。
基本の論理演算を行うものとして、OR(論理和)、AND(論理積)、NOT(否定)、NOR(否定論理和)、NAND(否定論理積)、XOR(排他的論理和)、があります。(今回はANDとNANDに注目するので、それ以外の説明は省きます。)
これらは論理ゲートと呼ばれ、これらを駆使することで加算器やフリップフロップ回路(FF回路)を作ることができます。加算器は信号を足し算する回路で、FF回路は、信号が入った場合に、その信号の値を保持しておく回路です。(今回は使わないので、「へぇ~そんなものがあるんだ~」と思っていただければ幸いです。)
これ以上は難しい話になるので、ANDゲートとNANDゲートに注目してみます。
ANDゲート
ANDゲートは以下の記号で表され、二つの入力、一つの出力をそれぞれA、B、Yとすると、下の表のような関係になります。(これを真理値表といいます。)
ANDゲート
A | B | Y |
0 | 0 | 0 |
0 | 1 | 0 |
1 | 0 | 0 |
1 | 1 | 1 |
ANDゲートの真理値表
NANDゲート
次にNANDゲートです。
NANDゲートとANDゲートとを比べると、出力側に丸ぽっちがあります。これが信号が逆になることを示す記号です。0 の信号が 1 に、1 の信号が 0 になります。(ちなみにこの演算をNOTといいます)
したがって、真理値表は以下のようになります。
NANDゲート
A | B | Y |
0 | 0 | 1 |
0 | 1 | 1 |
1 | 0 | 1 |
1 | 1 | 0 |
NANDゲートの真理値表
NANDを組み合わせてANDを作る
それでは、本題の「NANDゲートを組み合わせて作ったANDゲート作成」に入りましょう。NANDゲート2つを下図のように組み合わせると、ANDゲートと同じ動作をするはずです。
正しく動作するか、 Fusion 360 のシミュレーション機能で確認してみます。
入力信号がどちらも 1 のとき、出力されているので、ANDゲートと同じ動きをしていそうです。
ですが、これだけでは完璧とは言えないので、ANDゲートでのシミュレーション画面と比較してみます。
波形が全く同じですね。真理値表と比較しても、合っていることが分かると思います。
少し補足すると、一つ目のNANDゲートで演算された信号を、二つ目のNANDゲートで反転させる(NOTの動作をさせる)ことで、ANDゲートとして動くようになります。二つ目はNOTゲートでもよいですが、今回はNANDゲートで作成してみました。
最後に、論理ゲート(OR、AND、NOT、NOR、XOR)はすべて、NANDゲートを用いて作成できます。
もう少し詳しい知識が必要となりますが、回路図を書く練習、シミュレーションの練習として作成してみてはいかがでしょうか?
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