あけましておめでとうございます!!
この記事は、Fusion360学生アンバサダーに新年のインタビュー【前編】の続きです^^ 九州大学のFusion360学生アンバサダーのうやまちゃん、元アンバサダーのとみーさんに、「お年玉争奪寝正月厳禁企画!Fusion360しりとりモデリング耐久レース」(非公式) で3Dモデリングした作品を中心にお話を聞いてみた!という内容になっております。
インタビュー【前編】では、 作品の紹介や作ろうと思ったきっかけ・意図 について聞いてみました。【前編】をまだ読んでいない方はこちら。【後編】では、 作品制作で用いたFusion360の小技や、それどうやって作ったの?っていうところ について、インタビューしております!
作品制作にFusion360を使っているユーザーの皆さん、これから使おうと思っている皆さん、制作のヒントが見つかるかもしれませんよ~。
見えないところにこだわり! 断面解析で明らかに・・・
モデリングするときに、こだわったことってありますか? アピールしたいポイントを教えてください!
とみー:「見えないこだわりなんですけど・・・チャーチルは、装甲厚にこだわって作りました。」
装甲厚にこだわったという、チャーチルはこちら。果たして、どういうことなんでしょうか・・・?わたしには普通に戦車だな、ってことしか分からないんですが。
んー・・・こだわったポイント、どこですか??投稿を見ても、よくわからないので、断面を見せてもらうことにしました。
Fusion 360では[計測]>[断面解析]を使って、モデリングしたものの断面をみることができます。この機能を使うと、ちゃんとモデリングしたものの中身が詰まっているかとか、内部が干渉していないかとか、確認することができます。
↓断面解析するには、このボタン!ポチッと押して、どの向きから断面が見たいのか、面を選ぶと断面が表示されます。


とみー:「こんな感じで、厚みがいろいろと違うんです。それぞれの場所の装甲厚を調べて、実物と同じ厚みを再現してみました。」
へええ・・・本当に見えないところにこだわっていたんですね!!
(Twitterでは一言もそんなこと言ってなかったのにw こだわりですね。)
ちなみに、Fusion360で断面解析後、断面表示から普通の表示に戻せなくなった・・・というユーザーさんをよく見かけます。断面表示を元の表示に戻すには、左側のブラウザに[解析]のフォルダができていますので、この表示・非表示を切り替えれば、元の表示に戻せますよ^^

デジタルならではの、コピー&ペースト技
続いては、うやまちゃんもとみーさんも使っていたコピー&ペースト技です。1つパーツを作ったら、あとはコピペができるのはデジタルならではの良いところですよね。うやまちゃんのイチオシ作品「テナーサックス」は、コピペを多用して作ったそうです。
モデリングされたテナーサックスはこちら!じゃん!
うやまちゃん:「 イチオシの作品の「テナーサックス」です。理由は難しいものに挑戦できたからです。サックスって600個以上パーツがあって、複雑に組まれてたり、パーツ自体が曲線の多い作りにくいものがたくさんあるので、それを1日の限られた時間でおおまかに作れた点を評価してほしいです。アピールポイントは、時短のためにコピーと移動を多用して作ったことですかね…。細かいパーツはサックスをよく知る人じゃないとわからないと思ったので、キイと軸をつなぐところ全部同じです笑。 」
本当は600個もパーツがあるのか・・・。それは1日じゃ無理ですよね・・・。モデリングされたサックスをよく見てみると、たしかに同じ形のパーツがいくつかありますが、パッと見だとコピペだと全然分からないですよね。すばらしい、コピペ。

次は、とみーさんのコピペ技を見てみましょう。
とみー:「バッテラのお米は気合のコピペで出来ています!!」
いやいや、米粒・・・1000粒以上あるようです。これは、本当に気合のコピペだ!!コピペって楽なイメージあるのに、全然楽じゃなさそうです。具体的にどうやってるんでしょうか?本当にコピペ・・・?(おそるおそる聞く



スケッチの矩形パターンは、後から数の変更が可能。
耐久レースの作品制作の中で、新たな発見はありましたか?こんなこと、知らなかった、とかあったら教えてください。
うやまちゃん:「スケッチの矩形パターンのパターンの数を、後から変更できることを発見しました!他にも新しく使ってみたコマンド(?)はたくさんあると思うんですが、作りすぎて忘れました笑。どんなプロセスで作ればいいかがわかるようになってきたのも、1つの発見かなと思います。」
たくさん作っていく中で、モデリングのプロセスがつかめてきたようです。継続は力なりですね。特にツールの名前をあげてくれた矩形パターンはどこを作るのに使いましたか??
うやまちゃん:「アルフォートのこの部分とか、ツリーチャイムの穴の部分のスケッチとかです。」

こんな感じで矩形パターンは、長方形状に同じものを並べることができるツールです。アルフォートの斜線部分や、ツリーチャイムの穴部分は1方向のみに矩形パターンを設定することで、直線状に同じ形を並べています。ボディやフィーチャーを並べることができる[作成]>[パターン]>[矩形パターン]と、スケッチ内において、書いた線を並べることができる[スケッチ]>[矩形パターン]があります。
実は、このスケッチの方の矩形パターン、後から設定が変更できるんです!例えば、スケッチの矩形パターンを使って、四角形を並べたスケッチを描いてみました。

スケッチで矩形パターンを使うと、コピー元の図形付近に、矩形パターンのマークが表示されます。このマークをダブルクリックすると、パターンの数や並べ方が設定できる画面が開き、後からでもパターンの数や並べ方を設定することが可能になっています!
(この操作はもちろんスケッチモードの中で行います。)

ヒストリーにアイコンが残るコマンドの設定が、後から変更できることをご存知の方は多いと思いますが、こんな感じでスケッチの矩形パターンも後から変更可能なんです。ちなみに、スケッチの円形パターンも同じ要領で後から変更することができますよ!
透明素材+デカールのレンダリング技!!
とみーさんは、耐久レースの作品制作の中で新しい発見はありましたか?新しい作り方に挑戦してみたりしましたか?
とみー:「トンボとバッテラは結構挑戦だったかなーと思います。トンボの羽の部分は、デカールを工夫したやり方で行いました。」
トンボの羽、たしかにキレイですね!模様が繊細でキレイ!羽の模様をつけるのに使っているのは、デカールの機能だそうです。デカールは3Dモデルの表面に画像をぺたっと貼り付けられる機能です。
デカールは模様をつけたり、見た目を整えたりするのに便利な機能ですが、貼る画像の大きさと、貼りたい面の大きさが同じだと、画像が裏側に回り込んでしまいます>< 例えば、円筒の上面に、円の形の画像を貼ろうとすると・・・。

とみー:「デカールを使って、羽に直接画像を貼ろうとすると、画像が裏側に回り込んでしまう。そこで、羽を羽よりも大きい直方体で囲って、直方体の面にデカールを適用しました。直方体の外観を[空気]にすることで、レンダリングしたときは、羽の模様だけを表示させることができます。
羽の存在感は、羽に少し黄色がかった透明素材を適用することで表現して、模様は、空気素材の直方体にデカールを貼ることで表現しています。」
なるほど・・・・!こんな技があったんですね!デカールでちょっと困ったときは使ってみたい技ですね。
最後に今年の意気込み、コメントをどうぞ!!
年末年始を利用して早くも8作品を仕上げたとみーさんとうやまちゃん。今年の目標、意気込みなどコメントをどうぞ!!
とみー:「卒論書いた方がよかったかもしれない・・・・(暗い表情)」
最後の最後になんてことを・・・。お正月だし、好きなことができて良かったじゃないですか。前向きにいきましょう、前向きに。卒論はまだ間に合いますよ。がんばれ。
うやまちゃん:「去年は身近な人に直接使い方を教えるとか、Twitterでの投稿しかできなかったので、今年はFacebookとかの他のSNSでの発信や、ホームページを制作中なのでそこでの作り方も含めた発信で、より多くの人にFusion360を知ってもらえるように頑張ります!大学内で勉強会も開けたらいいなと思っています!」
いいですね!私は学生アンバサダーをしていたとき、SNSで色々発信してみたら、興味のある人が意外と集まってきたり、反響があったりして、情報発信は大切だと感じました。応援しています。
以上、九州大学Fusion360学生アンバサダーに新年のインタビューでした。たくさん語ってくれた、うやまちゃん、とみーさん、どうもありがとうございました。今年も、ものづくりを楽しんでいきましょう!! それでは。


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