みなさん、こんにちは。かわちゃんです!
現在、押し出しコンペ2が開催されております。
締切は2019年7月14日までとなっております。

この記事では、この押し出しコンペを制するために、押し出しコマンドについて解説しております。前編をまだ読んでいない方はこちらから。

押し出しコンペとは??

押し出しコンペとは、3D CADソフトウェアFusion 360の[押し出し][スケッチ][移動][コピー・ペースト]だけを使ってモデリングし、それを素敵にレンダリングするというコンペになります。

これが押し出しのアイコンだ!!!!

[押し出し]だけ!という制限の中で、何を作るか&何が作れるのかを発想するアイデア力、アイデアを形に落とし込むモデリング力、どうすれば魅力的に伝わるかというレンダリング力・・・・様々なセンスとスキルが求められる奥深いコンペとなっております。

押し出しコンペ2の詳細ページはこちら

“押し出しを極めよう(前編)”では 、[押し出しコマンド]にあるオプションの[操作]について、解説しました。後編のこの記事では、操作以外のオプションについて解説いたします。
押し出しを極めてぜひぜひコンペに参加してみてください!

そもそもどんなオプションがあるの?

まずは、どのようなオプションがあるのか、確認してみましょう! 押し出しをするときに出てくるウィンドウがこちらです。

[操作]については、前編の記事でご説明したので、この記事では、 [開始][方向][範囲][テーパ角度] オプションについて、解説いたします。

[開始]

まずは[開始]のオプション。これは、押し出しを開始する位置を決めるオプションです。3種類あります。

プロファイル平面

最初はもっともスタンダードであろう[プロファイル平面]。これは、押し出しに使うスケッチを描いた平面を始点にして押し出す、という意味です。描いたところから押し出しが始まります。

[プロファイル平面]からだと、やけにアイス部分が小さく、ぼったくりアイスバーになっていますね。

オフセット

[オフセット]を選択すると、プロファイル平面から指定した距離だけ離した位置から押し出しを開始できます。説明のために-20mmの位置から押し出してみましたが、もはや棒に刺さってもいないアイスになってしまいました(笑

オブジェクトから

[オブジェクトから]を選ぶと、先に作ったボディを参照した位置から押し出しが開始できます。例えば、上の画像では先に作ったアイスの底面を[オブジェクト]に選んでいて、その位置から押し出しが開始されています。

[オブジェクト]には平面や点が選べます。曲面だとエラーになりますのでご注意を!

[方向]

続いては[方向]のオプション。これは、押し出す向きと長さの関係を決めるオプションになります。3種類あります。

3種類の選択肢をまとめて比べてみました。[ 片側 ](画像左)は1つの方向に押し出します。

[2つの側面](画像真ん中)は2つの方向に押し出せ、それぞれの方向に異なる長さで押し出すことができます。この選択肢を押すと、サイド1とサイド2についてそれぞれ[範囲]と[テーパ角度]を設定できます。 [範囲]と[テーパ角度] については、この後説明します。

一方、[対称]では2つの方向に同じ条件の [範囲]と[テーパ角度] で押し出すことができます。

[範囲]

次は[範囲]オプションになります。これは、どこまで押し出すかを決める設定になります。こちらもまた3種類あります。

距離

押し出しの[範囲]を[距離]にすると、距離を入力する入力欄が増えます。ここに数値を入力すると、その数値の範囲だけ押し出しをしてくれます。

オブジェクト

押し出しの[範囲]を[オブジェクト]にすると、 選択した面や点の位置まで押し出しをしてくれます。下の画像は棒の丸い部分が終わる位置の点を[オブジェクト]に選択した、ほとんど持ち手がない欲張りアイスです。

また、[オブジェクト]に[面]を選んだ場合には、次のようなアイコンが表示されます。これは面の一番近い位置で押し出しを止めるのか、それともその面に合わせた形で押し出しを終わるのか、を選べるアイコンです。

アイコンの表示がかなり分かりやすいので、迷ったときはアイコンとにらめっこしてみてください。

すべて

押し出しの[範囲]の[すべて]は、[操作]が[切り取り][交差]のときだけ選択することができます。([新規ボディ]や[結合]で[すべて]を選ぶとエラーになる)

これは[切り取り]や[交差]で重なるボディが存在している位置まで押し出しを行う、という意味です。

例えば、上の画像は[方向]を[2つの側面]にし、どちらの方向に対しても[範囲]を[すべて]にしたところ。切り取りの適用範囲はボディがある位置までになっています。

しかし、[切り取るオブジェクト]で、下のボディを選択、上のボディは選択していないので、下のボディだけが[すべて]切り取られています。

[テーパ角度]

最後に説明するオプションは[テーパ角度]です。身の回りのだいたいの製品は金型から無理なく外せるように、面に角度がついており、この角度を付けるためのオプションになります。

アイスの食べ進む方向に押し出したとき、テーパ角度の違いで上の画像のように形の違いが生まれます。テーパ角度を+(プラス)にすると、押し出す方向に向かって広がっていき、ー(マイナス)にすると狭まっていくことが分かります。

これは、押し出しコマンドでできることの幅が広がりそうですね!

まとめ

今回は[押し出し]コマンドのオプションである [開始][方向][範囲][テーパ角度] を解説しました! この記事を読んだあなたは、押し出しマスターです!!ぜひ開催中の押し出しコンペ2に応募してみてはいかがでしょうか?

押し出しコンペ2はこちら
みなさんのアイデアたっぷりの作品をお待ちしています♪

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九州大学大学院所属。 Fusion 360の元学生アンバサダー。 レーザーカッターとか、3Dプリンターとか使って何かおもしろいことができないかなぁ~と考えながら、 そこら辺を漂っている。睡眠時間は長めだが、あまり育ってはいない。