こんにちは、がさきぬです。今回はライブラリの3Dパッケージを作る工程において非常に役立つ機能(仮)「パッケージジェネレータ-」を使っていきたいと思っています。
①ライブラリとは?
ライブラリとは、電子部品の「3つのデータ(のちに詳しく説明)」を含んだデバイスを登録し、複数のデバイスを統括して管理しているファイルのことを言います。といっても、文章で説明してもわかりづらいと思ったので、自分なりにかみ砕いて図を交えながら説明していきます。
上図はデバイスを構成する3つのデータの関係を表しています。順に説明すると、
・シンボル(Symbols)
回路図(Schematic)で使用される電気用図記号です。端子の数とその名称、役割(電源、入出力、非接続など…)を設定できます。
・フットプリント(Footprints)
ボード図(PCBレイアウト)で使用されるCADデータです。スルーホールならパッドとその直径、表面実装ならSMDパッドとその大きさを設定します。シンボルとフットプリントはデバイスによって連携させられるので整合性をとるためにフットプリントのパッドの数とシンボルの端子の数は基本同じにします。
・3Dパッケージ
Fusion 360の機能で実際の電子デバイスのモデルを再現することができます。これにより筐体に基板を挿入してプロダクトの開発ができます。3Dパッケージも同様にデバイスによってフットプリントと結び付けられています。
デバイスはこの3つのデータ(シンボル、フットプリント、3Dパッケージ)を連携させることによって一つの電子部品データとして存在します。
そして、残すところのライブラリとは何かですが…
ライブラリのイメージ
図書館をイメージしてみてください。そしてデバイスを人と考えます。
図書館で勉強するときは、たくさんの本からその情報を集約して、ノートやレポートにまとめますよね。
この人(デバイス)がこなしている「まとめる」という作業を「連携」ととらえれば、デバイスの大事な役割が理解できるのではないでしょうか。
デバイスを人に置き換えてみましたが、実際デバイスの中身を凝れば凝るほどノート・レポートと同じようにそこには多くの情報が詰まっています。つまり総括するとライブラリは各々の努力の結晶ですね。
②パッケージジェネレーター
ということで、ライブラリの説明はこの辺で一区切りつけて本題に戻りたいと思います。今回の本題の「パッケージジェネレーター」ですが、フットプリントと3Dパッケージをパラメーター入力のみで簡単に作成できる機能のことです。先ほどデバイスのところで触れた3Dパッケージでお世話になります。その使い方ですが…
Fusion 360を起動 >> ファイル >>
New Electronics Library >> Create New Package >>
と進んでいくと、下のような画面になり左上に「3D Package Generator」なるものがあると思います。これをクリックすると…
下図のように部品リストみたいなものがズラーっとでてきます。
DIPのIC、チップLEDなど、知ってるもの・見たことあるものがあると少し嬉しくなりますよね(笑)
試しにDIPを選択してみます。
ピンの数や外径寸法など設定すべきパラメータを入力してやる必要があります。外径寸法諸々はデータシートを見ましょう。今回はデフォルトのままでプレビューします(決してデータシート読むのが、面倒くさいからじゃありません(笑))。
おぉ~
いつも実験でお世話になってるゲジゲジそっくりです。こいつぁすごいですね。ただパラメータを入れるだけどできちゃうんです!
そして、それだけではなく…
フットプリントまで、できているじゃないですか!
ここから先ほど説明した「フットプリントと3Dパッケージが連携している」の意味が理解できるのではないでしょうか。
このようにパッケージジェネレータを使うことによってモデリングの時短が図れますし、僕のようなモデリング弱者でも数値を打ち込むことで3Dモデルができてしまいます。こんな便利な機能ぜひ皆さんも一度使ってみてはいかがでしょうか。
がさきぬ
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