初めまして。高専7年目のm木といいます。留年生じゃないですよ。専攻科生です。今回はFusion 360のCAM機能を使って、3軸加工機を使った削り出し(CAMでのパス生成まで)をやってみます。

今回使うモデルはこちら

5枚羽根のスクリュー(もどき)です。羽根はロフト機能を使って作りました。また背面に六角のボスがついています。
まずはセットアップから表面、裏面の設定を作っていきます。実際に加工する際はツールや加工条件を加工機や使用する材質に合わせて設定する必要があります。※加工により事故・不具合が生じても責任は負いかねますのでご了承下さい。

上の画像が表面のセットアップ、下が裏面のセットアップになります。
少し分かりづらいですが、同じ角が基準になるように設定しています。

では、表面のセットアップから加工パスを追加していきます。
以前別のモデルを実際に3軸加工機で加工したときにも感じましたが、CAMの段階で十分に治具のことを考えていないと加工途中で掴むところがなくなって加工が立ち往生してしまいます。
今回は正面から加工するときはブロックの側面を、裏面から加工するときは六角ボスをつかむ想定でパスを作成していきます。

今回は掴み代を考えて2段階に分けて粗削りを行います。Fusion 360に付属する工具データ「φ10L50mmフラットエンドミル」を使い加工パスを作成します。

1段階目の粗取りでは羽根の外周を削ります。今回内側だけ先に削ったのは上にも書いた通り、治具の掴み代を残すためです。1段階目の粗取り加工はブロックの下の方まで加工していますが、これと同じようにブロック外周も加工すると、ブロックを挟んでいるバイスを削ってしまいますし、掴み部がなくなってしまいます。そこでスケッチによって加工境界を設定し、先に内側を切削、後に外側をバイス上面近くまで削るようにして、一度の加工で多くの材を削れるようにしています。

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2段階目の粗取りでは治具の掴み代を残して外周を削り落とします。
粗取りが終わりましたので、羽根表面の加工パスを設定していきます。使用するのは3D加工のモーフィング スパイラルコマンドで、工具は「φ3L25mmボールエンドミル」です。設定するとこのようなパスになります。羽根の曲面に沿って加工パスが出来ているのが確認できますね。

これで、正面の加工パスの設定はおしまいです。
続いて、裏面の加工パス設定にうつります。裏面加工でも最初は粗取りから行っていきますが、表面と違って六角ボスをつかむ想定で加工を行うので、表面ほど治具を気にすることなく加工パスを設定できます。

出来上がった加工パスが上の画像になります。Fusion 360の加工プレビューの仕様上、表面の加工が反映されていないため下側の材料が未加工のまま残っていますが、うまく削れているようです。次にモーフィングスパイラルコマンドで、羽根の表面を削っていきます。

モーフィングスパイラルコマンドで羽根を削ると上の画像のようになります。羽根全面にかけて切削出来ていますね。出来上がった加工パスを通しで見るとこのような感じになっています。いい感じに加工できそうですね。

さて今回はFusion 360のCAM機能を使って3軸2面の加工を想定した加工パスを作成してみました。Fusion 360はCAMを始めるときの敷居が他よりも低いと思いますので、皆さんもぜひ一度触ってみてください。

この記事で紹介したことを宮本機器開発のE-Learningでより詳細な解説を加えて取り扱っています。
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m木

高専7年目のSSR高専生(専攻科)です。留年はしてません! 元々ロボコンでSolidWorksを使った設計をしていました。最近はFusion360のCAM機能を中心に金属加工して遊んでいます。 お気に入りのコマンドはSolidworks-アセンブリ-幅合致 / Fusion360-CAM-3D負荷制御です。よろしくお願いします。